vol.159 ヤマハFZ750セルモーターが回転しない編
<2024.2月修理分>
昭和61年式のFZ750です。
セルモーターのボタンを押したときにセルが回ったり回らなかったりするという症状ですが同時にマフラーも交換してほしいという修理依頼です。
マフラー交換もするのであれば先にマフラーを取り外しておこうと作業を始めたところエキゾーストナットが固着(錆付き)していたので潤滑剤を吹き付けて20分ほど放置しておきます。
放置したことで浸透した潤滑剤の効果でナットがスムーズに外れてマフラー、エキパイを取り外すことができました。
上の写真は右クランクケースカバーを取り外したところです。ここでクラッチ周りを点検し問題のないことが確認できたので再び右クランクケースカバーを取り付けてエンジンオイルを注入します。
これは左クランクケース側から見たところです。真ん中の大きな丸い物体がジェネレーター(発電機)でその下のホースがついている金色の丸い部分がクラッチレリーズです。
今回の修理にあたってセルモーターのメーカー在庫を検索したのですが残念ながら販売終了でした。しかし中古品のセルモーターAssyが入手できたので無事に交換することができました。真ん中の筒状にみえる黒い物体がセルモーター本体です。
セルモーターの取り付けが完了しスタートボタンを押すと正常に回転することが確認できました。今回のセルの不調はセルモーター内部でショートが発生したことにより電流が流れたり流れなかったりしたことが原因でした。いずれにしてもすでに新品では手に入らない部品が中古品ながら見つかったことで可能になった修理です。令和の時代に昭和時代のバイクを整備するのもだんだん困難になりつつあることはいなめません。
このあともうひとつの依頼であったマフラーの取り付けをしエンジン始動後にオイル漏れやクーラント漏れのないことを確認して作業は完了となりました。