089 ヤマハ ドラッグスター インジェクション編
2016-05-25
<2015.11月修理分>
走行中に何の前触れもなく急にエンジンの調子がおかしくなってしまったということでした。アクセルを開けても回転数が不安定に上下するだけですぐにエンジンが止まってしまいました。
点検のためスロットルボディを取りはずしますが、V型エンジンの割に作業が面倒なのでユーザー自身が行うにはかなり難しい工程になるかもしれません。上の写真ではV型エンジンの谷間にある2個のマニホールドの様子がよくわかります。
これは取りはずしたスロットルボディを確認しているところです。内部のジェット類にゴミやスラッジ(オイルのカスなど)が詰まると燃料の噴射に影響して、燃料と空気のバランスがくずれてエンジン不調の原因となります。このスラッジを除去するためには専用のクリーナーで洗浄します。通常のキャブ&インジェクションクリーナーではかえって詰りを助長してしまうこともあるので注意が必要です。
さらにスロットルボディの一部(写真内下の小さい部分)を分解してスラッジやカーボンを取り除きます。どうしてもキレイにならない場合はスロットルボディのアッセンブリ交換となりますが今回は除去作業ですみました。
上の写真はスロットルポジションセンサーです。普段はなかなかメンテナンスの行き届かない場所なので、このような機会には必ず点検しておきます。
スロットルボディなどの修理の場合は交換の方が作業が早いのですが、車種にもよりますが高価なこともあり(今回の車種ではおよそ8万円位)ユーザーと相談しながら交換しない方向での選択となりました。最近はインジェクション化されて吸気系統の修理は複雑になってきており、アッセンブリ交換が前提の傾向があり修理費用の高騰が懸念されるところです。
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