116 スズキセピアオイル漏れ編
2018-08-03
<2018.5月修理分>
1年半近く放置してあったこともありバッテリーを新しくしてもセルモーターは回らず、キックに切り替えて始動しようとしてもキックが降りないという状況です。ひとまずサイドカバー、ステップなどを取り外して目視点検をします。
このようにセルモーターが回転せずキックも降りないという症状はエンジンの焼付きの場合が多いのですが点検を進めながら点火プラグを外してキックをするとプラグ穴からオイルが吹き出してきました。上の写真ではシリンダやマフラーにオイルが付着しているのがわかります。
そこでシリンダ内にオイルがたまっているのではないかと考えマフラーを取り外してみました。するとこのようにマフラー内は口元までオイルでいっぱいになっていました。
この写真ではマフラーの口元までなみなみとオイルがきているのがよくわかります。状況から判断するとオイルタンクからオイルパイプ→オイルポンプを経由して一次圧縮室に少しずつオイルがたまっていき、ついに満杯になり行き場を失ってシリンダの排気ポートにまで達したということでしょう。そしてその排気ポートからさらにマフラーまで入り込んでここでも満杯になりピストン、クランクシャフトが回転できなくなったということです。オイルポンプの劣化によりできたすき間からオイル漏れをおこしたことがそもそもの原因だと考えられます。
年数が経ったバイクでこうしたトラブルを防ぐには月に1回くらいの頻度でオイルタンクを見るだけでもかまわないので極端にオイルが減っていないかを調べることが大切です。
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