082 ホンダ ディオZ4 エンジン焼付き及びクランクシャフト交換編
<2015.8修理分>
ホンダ ディオZ4 走行19800㎞ 年式不明
セルモーターが回らずキックも下りないためエンジンをかけることができないという症状でしたので、エンジンを車体から降ろして分解してみたところピストンとシリンダが焼付きをおこしていました。このディオのエンジンはシリンダとクランクケースが一体となっている形状のため、ピストンをはずすためには完全に分解しなければなりません。そして分解してみるとクランクシャフトのベアリングに2つともガタがあったので交換ということになるのですが、2つのうち1つはクランクシャフトにはめ込みになっているためクランクシャフトも一緒に交換せざるを得ませんでした。
まず上の写真のようにアッパークランクケースシリンダにピストンを組み付けたクランクシャフトを取り付けます。左側にあるのはロアクランクケースです。
これはシリンダ側から見たところですが水冷エンジンならではのウォータージャケットがよくわかります。
これはさらにシリンダヘッドと発電コイルを組み付けたところです。
写真のようにフライホイールとカムカバーまで組み上げるとだいぶエンジンらしくなってきました。
上の写真ではカムシャフト部とカムスプロケットがよくわかります。
さらにスタンド、リヤホイール、リヤサスまで取付終わったところです。
ようやくエンジンとしての組み上げが完了したところです。このあとフレームとドッキングしエンジンは無事に始動、安定した作動状況を確認して作業は終了しました。
定期的にエンジンオイルの交換をしていたにもかかわらず焼付いてしまったのは、オイルポンプ内のローターにカーボンゴミが詰まってしまい、それによってオイル吐出量が減少して潤滑不良をおこして焼付きに至ったと推測されます。オイルストレーナにゴミが付着していたことからも、このことが裏付けられそうです。