120 カワサキバリオス250 キャブレターオーバーホール編
<2018.11修理分>
年式不明、走行29800㎞、2年前に中古で購入した車両だということでした。
その時点ではエンジンは始動していたもののその後長く置きっぱなしになっていたところセルモーターが回らなくなってしまい始動できなくなってしまった状態です。
バッテリーは新品にしたということでしたのでまずその状態を点検したところ電圧が12Vを下回っていたので充電をしました。
その後燃料タンク、エアクリーナーボックス、キャブレターを取り外しました。この写真ではマニホールド、ラジエターホース、チョークワイヤーの様子がよくわかります。
オーバーホール前にキャブレター内の燃料を抜いたところです。このように茶色い液体と透明な液体が出てきましたが、茶色のほうは鉄錆と腐食したガソリンが混ざったもので透明な液体は水です。
おそらく露天の状態で駐輪していたため雨などが燃料タンク内に流入してしまい、それがキャブレターまで入ってきてしまったものと推測できます。
キャブレターを分解してみるとフロートチャンバーの中にも茶色の物質と腐食して乾燥した緑色の物質があります。メインジェット、パイロットジェット、フロートバルブなどとキャブレター本体をキャブクリーナーに漬けて一晩そのままにしておきます。
クリーニングが終わったキャブレターです。汚れが落ち切っていない部分もありますが支障のない場所です。メイン系統、パイロット系統、フロートバルブはしっかりきれいになりました。
この後はこれを組み立ててエンジンに取り付けます。また燃料タンクですが清掃したところ水が入っていたこともあって錆などが出てきました。
すべてを取り付けたあと、十分に充電したバッテリーでセルモーターは元気に回り正常にエンジンが動き始めました。
オイルで潤滑する機械にとって水分は大敵です。長期にわたる保管はもちろん短期間の駐車でも屋根のある場所を選ぶかバイクカバーをかけておくことが望ましいです。