102 ヤマハセロー225 ハンドルガタつき編
<2017.5月修理分>
左右にハンドルをきる時に引っかかりがあり危険を感じる、という症状です。
こうした症状はステアリングヘッドのボールレースにキズや凹みができてベアリングのボールがスムーズに転がらないという現象が起きていると予想されます。そのためヘッドライト、メーターまわりを分解してはずしていきます。上の2枚の写真は左右からその様子を見たものです。フロントフォークのインナーチューブがかなり錆びているので、まずは目の細かいペーパーやすりで修正しておきます。ピンクのビニールひもはブレーキキャリパーを吊っているところです。
これは左右のフロントフォークを抜き出したあとです。アンダーステムとトップブリッジの位置関係がよくわかります。また、フレームの構造などもわかりやすくなっています。
ハンドルブラケットのついたトップブリッジを取りはずしたところです。さらに分解するためには写真の真中のナットを回すためにフックレンチを使います。このあたりまではご自分でメンテナンスする方もいらっしゃると思いますので入手しておくとよいと思います。
この2枚は取りはずしたアンダステムです。経年変化などでかなり錆がすすんでいますが使用には問題ありません。真中に見えているテーパーローラーベアリングには油分がまったくなくガタつきがみられ、これがハンドル回転がスムーズに動かない2つの原因のうちの一つでした。
そしてもうひとつの原因が上の写真のアッパーベアリングです。ボールレースに22個の鋼球を並べてもう1枚のボールレースではさんで回転させる構造になっていますが、鋼球が錆びてかなり摩耗しているのがわかります。
新品のボールレースの組み付けて新しい22個の鋼球を並べグリスをたっぷりと塗りつけたところです。ひとつ前の写真と比べると違いが歴然としています。
修理後は1ヶ月ほど走りながら様子をみていただきゆるみなどが出なければ完了です。