075 台湾キムコの水漏れ修理編
2015-03-23
この車両は、駐輪しておくと車体の下に水たまりができエンジンをかけると5分ほどで水温警告灯が点灯してしまいます。
まずラジエターとサブタンクを点検するためにフロントカバーを分解して取りはずします。
その結果ラジエター、サブタンクとも亀裂などはなく、ホースにもキズも穴も見当たらないにもかかわらず冷却水がカラの状態でした。そこでシリンダとサーモスタットを点検しましたがここにも異常はありませんでした。
ここまでくると原因として疑われるのはウォーターポンプです。上の写真(上)のようにウォーターポンプカバーを取りはずしてインペラを調べるとガタガタとぎこちない動きをしています。そこで上の写真(下)のようにウォーターポンプ本体も分解することにします。
ここでもう一度インペラを回してみるとガタガタゴリゴリと妙に大きく動くのでウォーターポンプ本体の裏側を見ると、このようにインペラを支えるベアリングが破壊されていてボールが5個ほどしか残っていません。おそらく潤滑不良でベアリングが破損し、支持を失ったインペラが左右に大きく振れてメカニカルシールに接触、それが破損してクリアランスが限界を超えてしまい水漏れが起こったようです。結局ベアリング2個とメカニカルシールを交換することとなりました。
ちなみにこれは取りはずしたベアリングとメカニカルシールです。水冷エンジン搭載車ではエンジン下部に水滴のようなものがないか、または駐輪していた場所にシミ状のものがないか、など時々確認してみるとよいと思います。
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