056 ベスパ再生編
2013-06-09
型式V9B1T、年式は不明ながら走行は1985㎞のベスパ100です。ボディ塗装をするためにユーザーがご自分で分解したのですが塗装後の組み立ての段階で行き詰まってしまい、その後を依頼されたものです。上の写真はバラバラになった部品の一部です。バイクなどを分解する際は順序良く系統だてて保管しないと、どの部品がどこに取り付けられるのかが不明になったり部品の紛失で思わぬ手間をとることがあります。(特に旧車や外車など)
これはスピードメーターケーブルですが、ユーザーがご自分で組み付けるときに取り付けナットをステアリングコラム内に落下させてしまいました。結果、ナットを取り出すためにステアリングそのものを分解しなければなりませんでした。分解したバイクはブラックホールの集合体のようなものです。作業するときは小さな部品類がそのブラックホールに転落しないようテーピングなどをすることをおすすめします。
ステアリングを分解したところです。せっかくここまで分解したのでベアリング、レースもしっかり点検・清掃後にグリスもたっぷり塗ってから組み立て、ステアリングが左右にスムーズに動くか確認します。ちなみにこの現車はステアリングを左右にきった際にややひっかかる感触がありました。このことで過去に左に転倒した経歴のあることが推測されます。
ステアリングが組みあがったら次はエンジンの搭載です。ベスパの場合エンジンコンプリートに車輪とマフラーを取り付けてからになります。このとき見落としがちなのがボルト・ナット類の増し締めなので忘れないように作業します。
ひとつ前の写真の反対側からみたところです。車輪の取り付けのときドラム側に小さな凸部があるのでこの位置に合わせてボルト4本で締め付けます。
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