041 ホンダ ズーマー クランクシャフト交換編

2013-04-01

<旧HP2010.2.01・2010.3.09・2010.4.14掲載分>
ホンダ・ズーマー(型式AF58 年式平成13年 走行11000㎞)です。最近エンジンをかけると異音がするという症状です。
エンジンを始動してみると明らかにエンジン中心部からの異常音が聞き取れるのでフレームからエンジンをおろし分解することになりました。
順を追って分解・脱着をすすめ、ついにクランクケースの分解というところまできました。
ズーマーは4サイクルエンジンなので上下分割式クランクケースを採用していて左の写真は下側のクランクケースを外したところです。
※2サイクルエンジンのクランクケースは左右分割式です。
ばっくNo.’05.10.24の<KDX250エンジンオーバーホール編>参照

 

分解した部品は順番に並べていきます。
このとき各部品を点検し不良がみられるものは修理または交換します。
これは4サイクルエンジンの部品量ですが2サイクルエンジンの部品点数よりかなり多いです。
2サイクルエンジンですとだいたいこの6割くらいの点数です。

 

 

 

 

 

 

取りはずしたクランクシャフトとピストンです。
今回のエンジンの異音の原因はクランクシャフトベアリングが摩耗によりすき間が拡大したことでした。
これによりクランクシャフト自体が振れてガタつき音が出ていたということです。

 

 

 

 

写真の右側が新しいクランクシャフト、左側が古いクランクシャフトです。
新旧のクランクシャフトの比較です。
本来ならばクランクシャフトベアリングの交換ですがコンロッド大端部にもガタが生じていたので全体を交換するアッセンブリ―交換となりました。

 

 

 

シリンダの組み立て作業中です。
カムチェーンスライダを新品に交換してカムチェーンを取り付けたところ。
カムチェーンがエンジン内へ落下しないように針金などで引き上げておくことを忘れずに!
もし誤って落下させるとクランクケースを分解しなければならない事態にもなりかねません。

 

 

 

 

 

 

 

左の写真を右横アングルから見た図。
クランクシャフトの新品ぶりがよくわかります。
ウッドラフキーの取り付けもまだですしシャフトの繰りづも見えます。
この状態でクランクシャフトを空回しして異音、引っかかりなどがないことを確認します。

 

 

 

 

 

センタースタンドと車輪が付くとエンジン部が固定されて安定し、その後の作業がしやすくなります。
ここでフライホイールを取り付け、再度クランクシャフトの空回しをして異常がなければシリンダヘッドの組み付けへと進みます。
もし少しでも異常があれば再度分解をして原因をつきとめます。
気がかりな点があるのに先へ進んでしまうと後が大変!
この時点でしっかり確認しておくことが大切です。

 

 

 

←シリンダを取り付けたところです。
カムシャフト、ロッカーアーム、バルブヘッドの様子がよくわかります。
取り付けボルトは、対角線上に数回に分けて締め付最終的に規定トルクで締め付けてやります。
締めすぎを防ぐために必ずトルクレンチを使用します。

 

 

 

 

 

←カムチェーンスプロケットを取り付けますがボルトが小さく短いので、カムチェーントンネルに落とさないように気をつけます。
万一、落下させてしまうと再びエンジン分解をするハメになってしまいます。
写真のようにスプロケット側とカバー側の線(写真中央部)が一致するように取り付けます。

 

 

 

 

←カムチェーンテンショナーを取り付けフライホイールのTマークとエンジン側の三角マークが一致していることを確認します。さらにフライホイールを2回転させて両立のマーク一致すればOKです。

 

 

 

 

 

←フレームにエンジン部を載せて各配線、キャブレター、燃料系統、冷却系統を取り付け2、3回キックするとエンジンがかかりました。アイドリングさせながら異常音がないかなどを確認し車体各部も合わせて点検して修理は完了となります。

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