080 ホンダCB500カスタム 車検取得編

2015-08-30

<2015.7月 修理分>

このバイクが製造されてから35年ほど経ちますが保管状態がよかったのか外観はたいへんキレイでした。

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上の写真は燃料タンクを取りはずしたところですが、これを見る限りでも状態はたいへんキレイです。しかしキャブレターを取り外して分解してみると写真・下のようにかなり汚れていたためキャブクリーナーに漬けておきます。しかし汚れ以上に問題だったのがドレインスクリューが4つともついていなかったことです。おそらく30数年の間のどこかでの整備中に作業から落ちてしまったのかもしれません。生産中止から年月が経ちすぎていることもあり純正部品はもう手に入らないのですが他車種のドレインスクリューで代用することができ、この問題はクリアすることができました。

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次にフロントブレーキがレバーを握っても全く手ごたえがないので分解してみると、この2枚の写真のようにマスタシリンダの中が錆びついてしまっていて修理のできない状態でした。これも前述のドレインスクリュー同様に純正部品は既に販売中止となっているためいろいろと模索したところ、CB750ナイトホークのものが共用できるのではないかというところまでたどり着きました。

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そこでCB750用の部品を取り寄せてみたところ確かに装着することができ、無事に使用できるようになりました。

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これは古くて長い間乗らずにいたバイクにありがちなフロントフォークのオイル漏れです。写真のように左右ともに漏れがありましたが、これについてはホンダに純正部品の在庫があったのでオイルシールの交換で済みました。あとはキャブクリーナーに漬けておいたキャブレターを清掃して取付けエンジン始動で完了という流れだったのですが、いざエンジンをかけてみるとガソリンがジャジャ漏れに・・・

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再度キャブレターを取り外して写真のような手順でテストしてみます。その結果、4つのキャブレターを連結している3本のパイプの継ぎ目すべてからガソリンが吹き出していることがわかりました。経年による劣化です。この状況をユーザーに報告したところインターネットで見つけた部品を届けてくれたのですが、これは形状が異なり使うことができませんでした。一部を削るなどして試行錯誤してみましたがやはり装着はできませんでした。こうなると最初のキャブレターを使えるようにするしか方法はないということになり、もう一度キャブを分解・洗浄して組み立てる際に液状ガスケットで漏れのある個所を埋めていくことにしました。具体的にはキャブとパイプを繋ぐ部分にできる隙間に液状ガスケットを流し込みながら小さなヘラで少しずつ押し込む、という作業です。これをすべての隙間で行い乾燥させるために24時間そのまま放置しておきます。

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すべてがちゃんと乾燥して固まったことを確認したあと再びテスト用燃料タンクに繋いでみたところ、液状ガスケットが効力を発揮して今度は漏れはまったく見受けられません。

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これは組み上がったキャブレターを取り付けたところです。その後さらに残りの部品を装着しエンジンをかけたところオイルや燃料の漏れはなく、アイドリングも安定して異音もありません。店の駐車場で試乗したところクラッチが滑り気味だったので、これを調整し終えて修理の完了となり車検も無事に通過となりました。

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