010 スズキ GSX1100Sカタナ クラッチケーブル交換・キャブ同調編
クラッチレバーを握るとフューエルタンクの下あたりから「グキッ」という異音がするということでタンクを外してみたところクラッチモーターあたりから音が出ていることがわかりました。フレームの間から見える円筒形のものがクラッチモーターです。結局この異音はクラッチモーターに巻き取られる直前の位置でクラッチケーブルが劣化して切れアウターと接触して出ていた音でした。
クラッチを切ったり接続したりする時、大排気量のバイクはクラッチ容量が大きいため強い握力が必要です。このクラッチ操作を軽くするためにアシストしてくれるのがクラッチモーターです。クラッチレバーを握るとモーターのスイッチがONとなりモーターの回転でクラッチケーブルを巻き取ってクラッチを切ったり接続したりする構造(左写真)になっています。
GSX750Sはクラッチが重いことで知られていますが1100Sはこのクラッチモーターのおかげで軽く扱えます。
クラッチケーブルに関しては不良だったものを交換して完了したのですが、追加でキャブレターの同調もすることになりました。単気筒・シングルキャブに対して多気筒・多連装キャブの場合はそれぞれの気筒の爆発が異なるとバランスが崩れ、スムーズにパワーが伝わらずロスが発生します。そこですべてのキャブのシリンダへの吸入圧力を合わせる必要があります。これが同調です。キャブの同調には写真のようなバキュームゲージという測定器を用います。
各気筒のマニホールドにアタッチメントを取りつけ専用チューブでバキュームゲージとつなぎ、エンジンを始動するとバキュームゲージの指針が動いて吸入圧力を表示します。指針がずれている場合はアジャスターで調整し、すべての気筒で調整がとれたら2~3回空ぶかしをします。これで指針にずれが出なければ同調は完了です。