114 ヤマハビーノ ウォーターポンプ交換編

2018-06-05

<2018.3月修理分>

エンジンがかからないとのことです。
まずバッテリーを点検したところ完全に上がってしまい充電による再使用も不可能な状態だったため交換しました。
次にキックをしてクランクが回転するかどうかを調べたところシリンダヘッドの左側から異音がします。
CIMG0806そこで分解を始める前にラジエター、エンジンからクーラントを抜いてみたところ上の写真のようにクーラントの量が非常に少ないうえにオイルが混入して黄緑色のヘドロ状になっていました。
CIMG0809これはフレームからエンジン部を切り離したところです。このあとはさらにウォーターホース類を取り外して点検しますがホースにオイルのかたまりが詰まっているとクーラントが流れずオーバーヒートの原因になります。
CIMG0811点検を続けていくと懸念したとおりホース内にはクーラントとオイルの混ざったどろどろの液状のものが見てとれます。これらはすべて洗浄して取り除きます。
CIMG0810ようやくシリンダヘッドの分解です。ヘッドカバーを取外してカム、カムチェーン、バルブの状態を確認します。ここは何の問題もありませんでした。
CIMG0812
CIMG0813
CIMG0814次にウォーターポンプを分解してみると原因はここにありました。
上の3枚の写真にあるように内部はヘドロ状の液体で詰まりインペラにいたっては破損して円形の破片が転がり出てくるありさまです(一番上の写真)。この状況からすると経年変化で劣化したメカニカルシールのすき間から徐々にクーラントが漏れ出したのでしょう。そのクーラントがオイル通路でオイルと混ざるわけですが通常なら分離する水と油もここが回転する場所であったためその攪拌と熱によってどろどろに混然一体となってしまい潤滑が妨げられたことでこのような状況を招いたと考えられます。
CIMG0823これは上段が新品のインペラ、ベアリング、メカニカルシール、プレート(右から)で下段が取りはずした破損品です。これらの部品をオイル通路、クーラント通路を洗浄したのちに交換して修理は完了です。
ちなみにこの車両は2年近くオイル交換や点検をしていなかったということでした。

 

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