092 スズキ バンバン50燃料流出編
<2016.8月修理分>
ユーザーが中古車で手に入れたバンバン50です。燃料コックを開くとエンジン下部にガソリンが盛大に流れ出てきてしまうということで修理に入ってきました。
流れ出したガソリンはコックを閉じれば止まるので原因はキャブレターにあると推測して右クランクケースカバーをはずしてみたところです。バンバン50は2サイクルロータリーディスクバルブ仕様なのでキャブレターはクランクケースの右側に取付けてあります。
まずスロットルバルブ、チョークバルブを取りはずすのですが、狭くて手が入りにくい構造になっています。
取りはずしたバルブは案外サビや汚れが少なく、キャブクリーナーで洗浄すれば再利用が可能な状態でした。またクラッチレバーのリターンスプリングがなくなっていましたが作動に問題がなかったため調整するだけにとどめました。
この写真は2番目の状態を上から見たところです。潤滑用オイルのパイプが四角い開口部の右・中央付近(金色様の部分)に見えます。2サイクルエンジンの場合、オイルパイプがキャブレター本体についているという構造が多い中、バンバンのキャブメンテナンスは比較的やりやすいといえると思います。
キャブレターを取りはずすと見えてくる直径2㎝ほどの穴(中央・右上)。ここから混合気が一次圧縮室に吸い込まれ、さらにシリンダに吸入され、圧縮されて点火され爆発することでエンジンが動きます。
これは取りはずして分解したキャブレターです。相当汚れているのでキャブクリーナーに一晩漬けたあとエアで吹いて清掃します。フロートバルブが損傷していましたが、古いバイクながらメーカー在庫がまだあったので交換することができました。油面調整などその他の点検も終えてテストしたところ燃料漏れはなく、すこぶるエンジンの調子もよく作業の完了となりました。