043 ホンダ ディオのクランクシャフト交換編

2013-04-03

<旧HP2010.8.17・2010.9.11・2010.10.09掲載分>
ホンダ・ディオ(型式AF27 年式平成7年 走行21000㎞)です。エンジンのオーバーホールを、との依頼です。
長年乗り続け走行距離も伸びてきたことでパワーダウンがみられ、異音も増えてきたためご来店いただきました。
カバー類をひたすら取り外していきます。
はずすこと自体は単純な作業ですがバイクのカバーは意外にデリケートなツメによって複雑に装着されていることもあるのでこれらを折らないよう注意する必要があります。
左の写真はカバーをほぼすべて取りはずした状態です。
いわばシースルーの状態で見えやすいので他のトラブルがないかもこの時点でよく点検しておきます。

 

キャブレター、オイルポンプ、ジェネレーターを取りはずして、フレームからエンジン本体を切り離すまであと一歩という状態のところです。
キャブレター、オイルポンプは左の写真のようにビニール袋にまとめておくと作業がしやすいのです。

 

 

 

 

 

車体の左側にあるプーリー、クラッチなど動力伝達系統を取りはずしたところです。
ここでも要所ごとのチェックとしてクランクシャフト(写真中央左側の凸部)とギアシャフトオイルシール(写真中央右側の凸部)の点検は必ず行いオイルもれ等があればシールの交換が必要です。

 

 

 

 

 

フレームからエンジン部を切り離したところです。
車輪をはずさない方がバランスがとれエンジン部が転倒しにくくなり後の作業がしやすいのでホイールナットだけを緩めておきます。
また、シリンダをはずした時にクランクケース内にごみなどが入らないようにこの段階でエアガンを使っておおまかな汚れを飛ばしておくことが大切です。

 

 

 

 

シリンダヘッド、シリンダを取りはずしたところです。
ピストン頂部にカーボンが堆積しています。
今回、ピストンは再使用しますので取りはずした後に清掃します。
シリンダヘッドも忘れずにカーボンを落とします。

 

 

 

 

 

コンロッド、クランクケース内もかなり汚れているので分解後に清掃します。
コンロッド大端部にガタが出ているので次はクランクシャフトの交換を行います。

 

 

 

 

 

 

クランクケースを分解したところです。 一時圧縮室内とベアリングが真っ黒なのが酷使されたエンジンの様子を物語っています。 写真左上のクランクシャフトはガタが出ているので交換します。 またベアリングは空回しをするとひっかかりのあるゴロゴロ感がありなめらかに回らないのでこれも新品に交換します。

 

 

 

 

 

左右クランクケースの一次圧縮室内を洗浄して新しいベアリングを打ち込んだところです。 クランクケース合わせ面のガスケットかすを取り除き脱脂をして液状ガスケットを薄く塗ります。 そしてノックピン(※)2個を確実に取り付けます。 ※ノックピンとは分解したクランクケースやカバーを再び合わせるとき合わせ面の位置決めをするためのものです。

 

 

 

 

 

いよいよクランクシャフトの組み付けです。 このときハンマーでたたいたりせずに必ず専用工具のインストーラ(写真中央部)を使用し、クランクシャフトを少しずつ引き込みます。 反対側のクランクケースも同様にして組み付け、後は分解の反対の手順で組み立てていけば完了です。 試運転、試乗の結果も良好で無事に所有者のもとに帰っていきました。

 

 

 

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