087 ヤマハグランドアクシス100 クランクシャフト交換編

2016-03-28

<2016.2月修理分>

走行中にエンジン音が消え、とっさにアクセルを開けたり戻したりしたものの全く反応がなく、そのまま失速して停止してしまいました。その後はセルモーターも回らず、キックも下りなくなってしまい修理に入ってきました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこのような症状の場合、ピストンの焼付きが最も疑われるので確認してみると上の写真のように焼き付きだけではなく、シリンダ内に大量の錆が見受けられました。これはシリンダ内部だけではなくクランクシャフト部にも水分が入りこんでいることを示すもので、エンジンを分解する作業が必要になります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA上のようにフレームからエンジン部を切り離します。このとき取りはずしたパーツは点検し不良な場合は交換しますが、再使用が可能なものは洗浄して保管しておきます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこれはセパレーティングツールでクランクケースを分解しているところです。ピストンの焼付き跡と錆の様子がよくわかります。

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これは更にその内部で、クランクシャフトにも水分による錆が見られます。このことから、水分が混入した入口は ①エアクリーナー ②燃料タンク ③マニホールド が考えられますが、点検の結果タンクキャップのパッキン不良で駐輪時に雨水などがタンクに混入し、燃料といっしょに燃焼室に入って錆を発生させたことがわかりました。

 

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OLYMPUS DIGITAL CAMERA上の3枚は新旧のクランクシャフト、ピストン、シリンダ、ベアリングです。シリンダピストンの焼付きは通常の修理ですが、水分によって錆びた今回の症状は珍しい例でした。

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OLYMPUS DIGITAL CAMERA各パーツを組み立てトルクレンチで締め付けてフレームと結合し、新たに交換になった部品や洗浄して保管しておいた部品、補機類も取付けて完成です。このような症状を防ぐためにはなるべく雨ざらしにしないこと、できればカバー類をかけることが大切です。

 

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