047 解説<バッテリー>編

2013-04-13

<旧HP2011.10.07・2011.11.08・2011.11.28掲載分>
「バッテリー」についてです。
開放型バッテリー 昔から使われているこの型は化学反応で分解された水分を外部に放出する構造になっているため減った分はその都度足してやる必要があります。 その際はバッテリー補充液を使用します。 水道水などには不純物が含まれているため補充液として使うには不向きです。

 

 

 

 

密閉型バッテリー ’80年代半ばから使われ始め現在ほとんどのオートバイに搭載されているこの型は分解された水分を内部に循環させるため補水不要でメンテナンスフリーバッテリーとも呼ばれています。

 

 

 

 

 

密閉コネクター型バッテリー 非常にコンパクトであるため’90年代以降2サイクル50㏄のスクーターに使用され始めました。 しかし’00年代半ばから強化された排ガス規制によってスクーターの主流も2サイクルから4サイクルに移り変わると今度は小さいがゆえの容量の不足が4サイクルには不適格となりました。

 

 

このようにバッテリーには開放型と密閉型の大きく分けて2種類があります。 開放型は液の注入口(上部の赤い部分)を上にして設置することが大前提ですが、密閉型は横向きにしても液漏れしないため搭載方法にはある程度選択の余地があります。実際横向きに取り付けられている車両もあります。 二輪車にとって密閉型は補水しなくてもよいという利便性よりも設置場所や向きに自由がきくという特性がたいへん重宝だといえます。

バッテリーは、電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄え(=充電)、電気エネルギーとして取り出す(=放電)ことを繰り返しおこなうことができます。 バッテリー内部には鉛化合物が使われている極板があり、全体が電解液(希硫酸)に浸かって化学反応をしています。 開放型バッテリーはこの化学反応で電解液の水分が水素ガスと酸素ガスに分解されると、この発生したガスによって内部の圧力が高まるため排気口から外に逃がす構造になっています。するとその分の電解液が減少して極板が露出することになり化学反応ができなくなります。つまり充電ができない状態になるわけで、結果的にバッテリー内の電気エネルギーが少なくなり放電もできないということになります。そこで定期的に電解液の容量を点検し、既定のラインを下回っているようであればバッテリー補充液などを注入して正常な量を保つ必要があります。

 

開放型バッテリー

 

 

 

 

 

 

補充液の注入

 

 

 

 

 

 

密閉型バッテリーでは、極板は希硫酸を含ませたスポンジ状のもので包まれた状態になっています。 したがって化学反応がおこって水素ガスや酸素ガスが発生してもスポンジ部分がこれを吸収し内部の圧力が高まることがなく、開放型のように排気口を設ける必要がありません。また、発生したガスは再び化学反応によって水分に戻してしまうので補水の必要もありません。 密閉型では 化学反応 → 補充 → 放電 のサイクルを容器の中で完結できる構造になっているのです。

冬期になるなどしてしばらく乗れない場合やさまざまな理由でバイクを長期間保管しなければならないときのバッテリーの処置法です。

バッテリーを車体から取りはずしますがバイクはマイナスアースなのでマイナス端子からはずして、次にプラス端子をはずします。 取りはずしたバッテリーの端子を点検して錆や汚れがあればワイヤーブラシなどで磨いてきれいにして左の写真のように充電します。 満充電になったらテスターで電圧を測定し端子にグリスを薄く塗ります。

 

 

 

 

 

最後に断熱材(なければ 古新聞など)でバッテリーを包みこみ屋内の寒くない場所に置いておきます。1カ月に1度くらい点検し電圧が12V以下ならば充電します。 乗り始める前に再度充電して電圧を確認して取り付けます。

バッテリーメーカーでは寿命を平均2年間としていますが使い方で1年でだめになってしまったり逆に4年以上も使用できたり、というケースもあります。 バッテリーは高価な部品ですから正しく取り扱い少しでも長持ちさせてみてはいかがでしょうか。

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