103 ヤマハジョグ オーバーヒートでエンスト編
<2017.6月修理分>
走行中にエンジン警告灯が点灯しエンジンが止まってしまいました。セルとキックで再始動を試みましたがかからなかったということでした。そこでまずキックをしてみると足ごたえの感触が非常に弱いので圧縮圧力を測定したところ、基準値が1450kpa(キロパスカル)であるのに対して700kpaしかありません。これではエンジンはかかりませんのでシリンダまで分解することとなりました。
まず上のようにフレームからエンジン部分を取りはずします。
シリンダヘッドからウォーターポンプをはずすと写真のように中心部分に錆のような汚れが見られます。これはウォーターポンプに何か問題があると推察されます。
そこで取りはずしたウォーターポンプの外(上の写真)・内(下の写真)を確認すると内側にオイルと水の混ざったヘドロ状のものがあり水滴そのものも見受けられました。
これはウォーターポンプを分解したところです。点検するとインペラがガタガタで正常に回転していないことがわかりました。このためウォーターポンプがエンジンに冷却水を送ることができずオーバーヒートを起こしていたのです。
右側が取りはずしたインペラ、ベアリング、オイルシールです。ベアリングが破損しオイルシールもインナスプリングが飛び出してしまっています。そこで左側の新品と交換します。
内部を洗浄してインペラ、ベアリング、オイルシールを組み付けたところです。インペラが正常に作動するか確認してから全体を組み立てます。
取りはずしたシリンダ(左)と新しいものを比較した写真です。今回はオーバーヒートによりシリンダとピストンの温度が上昇し焼付いたので新品に交換します。
シリンダ、ピストンを組み付け、シリンダヘッド、ウォーターポンプ、ホース類を取付け、フレームに乗せて配線類も取り回しクーラントを注入。エンジンをかけて最後にオイルやクーラントの漏れがないかを確認します。