100 ホンダ プレスカブ オイル漏れ修理編
<2017.2月修理分>
ユーザーはエンジン下の床面にかなり大きなシミができていたことでオイル漏れに気がつきました。
レッグシールドを外してエンジンまわりを点検してみるとエキパイのフランジのすぐ上にオイル漏れの痕跡がありました。中央のシルバーのパーツがフランジです。そのフランジの右上に半円状に黒く光って見えるのが漏れ出たオイルのかたまりです。この写真ではわかりにくいのですがシリンダヘッドカバーガスケット付近にオイルが漏れた跡がうっすらとありました。
これは車体の左側からエンジンをみたところです。写真の左がフロント側です。シリンダヘッドカバー、シリンダヘッド、シリンダの様子がわかりますが、シリンダヘッドカバーとシリンダヘッドの間に挟まれるように黒く見えているのがガスケットです(中央左寄り)。
シリンダヘッドカバーを取りはずしてガスケットを点検します(上の写真と比較してみてください)。ここまで分解することは比較的まれなので合わせて吸排気バルブやカムシャフト、カムチェーンの具合を確認します。
上のガスケットは左が新しいものですが、比べると右の方が潰れやヘタリが見られ割れもところどころにあったことから今回のオイル漏れはガスケットの経年変化が原因と考えられます。
シリンダヘッドカバーに新品のガスケットを取り付けたところです。ヘッドカバー側に溝があるのですが、そこに液状ガスケットを薄く塗り半乾きのところにガスケットを貼り付ける形で作業します。
余談の写真ですが、これは当該のプレスカブの修理を終えた2日後にまったく同じ症状で入ってきたプレスカブのものです。シリンダヘッドカバーを取りはずしたところ、こちらは潰れやヘタリどころかガスケットが割れてしまっていました。やはりゴム系のパーツは寒暖差をはじめ環境の影響を受けやすく、こうした経年変化による劣化は宿命と言えるかもしれません。オイルが徐々に滲み出している段階では急に走れなくなるというような故障に至ることは少ないですが、定期的な点検で発見しトラブルを未然に防ぐことは大切です。