094 ベスパ50ビンテージ編
2016-10-28
エンジンがかからなくなったまま1年半ほど放置状態だった車両です。
キャブレターを取り外してオーバーホールしました。キャブレター内部は変質したガソリンがたまっていてジェットが詰まっていたので、キャブクリーナーで洗浄しました。真ん中に見えているのはチョークレバーの基部です。
ひととおり通常の作業を終えたところでエンジンを始動してみると調子よく回るので試乗してみたところ突然エンジンが止まって再始動できなくなってしまいました。症状からして電気系統のトラブルが疑われるためフライホイールを取り外してみました。ちなみにフライホイールプーラーは国産の工具では適合しないので専用のプーラーが必要です。ご自分でのメンテナンスを考えるのであれば事前に手に入れた方がよいかもしれません。
フライホイールを外すと中には発電コイルが3個、コンデンサーが1個とポイントが見えます。コイルやコンデンサーはテスターで点検し、ポイントはポイントやすりで接触面を磨き電気がスムーズに流れるようにしておきます。
この後は周囲についた油やグリスを拭き取ってキレイにしてからフライホイールを取り付け、必ずポイントのすき間を調整します。
今回の修理は何か大きな問題があっての故障などではなく、劣化したガソリンでキャブレタージェット類が詰まったこと、点火系のポイント接点の荒れ、ポイントすき間の不適、という長期間乗らなかった車両に起こりがちな小さなトラブルの複合型でした。人間には適度な運動が欠かせないように機械であるバイクであればなおさら、コンスタントにエンジンをかけ、新しいガソリンを給油し、オイルを回し、走行することでよい状態が保てるといえます。
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