077 ヤマハジョグ まれなピストン焼付き編

2015-05-27

走行3800㎞の後、長期間乗らない時期を経てエンジンがかからなくなってしまいました。こうしたケースではまずキャブレターのオーバーホールから始めます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこのようにカバー、トランクボックスなどを取り外してキャブの作業をし、再び取付けてテストするとアクセル全開状態でしか始動しないうえにアイドリングができません。そこで圧縮圧力を測定してみると規定値ギリギリですがクリアしています。またジョグ系にしばしば見られるマニホールドの亀裂もありません。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAそこで念のために上図のようにシリンダを取り外してみると驚いたことに焼付きがありました。通常であれば焼付いているとエンジンはかかりません。

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上図(上)はシリンダの内側ですが縦傷が見受けられます。上図(下)はピストンですが、下部に傷があるうえにセカンドリングの一部が折れてしまっています。結局これが原因で圧縮圧力はかろうじて確保されつつも、焼付き傷の抵抗でアイドリングはできない、という状態にあることがわかりました。このような焼付きは非常に珍しく、普通は圧縮圧力が規定値を下回りエンジンは始動できません。

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これは焼付いたピストン(上)と新しいピストン(下)です。今回のトラブルはエンジンオイル量が減って潤滑不良が生じ、それによって引き起こされたと推測されます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこのように新しいピストン、シリンダを組み付けてエンジンをかけるとアクセルを全開に保たなくても正常に始動し、アイドリングもきちんとするようになりました。

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