026 ホンダ CBX400F 車検編
<旧HP2008.3.17・2008.5.02掲載分>
ホンダ・CBX400F(型式NC07(S58年式) 走行7700㎞)2年ほど放置状態だった車両ですが車検を取って再び乗りたい、という依頼です。
さて長期放置車の場合高い確率でキャブレターのオーバーホールが必要ですがこのCBXの場合もそうでした。
左の写真はプラグ点検・清掃後、タンクを取り付けたところです。
冬場の保管や長期間乗らない場合はキャブレター内のガソリンを抜き取っておくことでガソリンの劣化などによる目詰まりを除去するといった前段階の作業を省くことにつながります。
バッテリーも不良だったため交換し、充電後装着しました。
バッテリーターミナルは
♦取り外すときはマイナス(-)側
♦取り付ける時は プラス(+)側
からが鉄則です。
車体が(-)アースなので、逆にすると作業中の接触などでショートする危険性があるからです。
リヤブレーキフルードを交換しようとしたところマスターシリンダ付近からフルード漏れが見つかりました。
かなり古いバイクなのでマスターシリンダキットのシール不良が原因と推測されます。
←写真<A> これはフルード漏れしていたリヤブレーキのマスターシリンダを分解したところです。
マスターシリンダキット(写真の中心のばねの部分)が損傷していたりプッシュロッド(写真の右の部品)が錆びていて経年変化を感じさせます。
汚れや錆を根気よくしっかり落としていくことで内面が滑らかになりピストンセットの動きがスムーズになります。
これはマスターシリンダ本体です。こちらも錆つきが激しいので交換したいところですが部品がないので歯ブラシや耐水ペーパーで細部まで掃除をして再利用しました。
メーカーの責任による部品の在庫は新車で製造されてから7年と法律で定められています。通常は7年過ぎたからといってすぐに部品が入手できないということはありませんが、この車両は製造後20年以上たっているのでマスターシリンダについては部品の在庫が既になくなっていました。
写真<A>を組み立てたマスターシリンダAssyです。
本来はこの全体をAssyで交換したかったのですがマスターシリンダキットだけでも新しい部品が入手できたので安心です。この後、車体に取り付けブレーキパイプ、ホースを組み付けてエア抜きをします。
作業完了の前にフルード漏れがないか確認することが大切です。
20年以上前のバイクですが無事に車検を通過してユーザーの元に返っていきました。