137 カワサキエストレア シフトアップできない編
2020-11-17
<2020.10月修理分>
年式不明で走行38000㎞の車両です。走行中に突然チェンジペダルの動きがおかしくなり1速ギヤには入るもののシフトアップができなくなってしまいました。
右側クランクケースカバーを取り外すためにマフラーを外した状態です。前部にセルモーターが付いているのがよくわかります。
エンジンオイルを抜いて右クランクケースカバーを取り外したところです。いちばん大きく見えているのがクラッチ、その右下にある穴が3つ開いているのがオイルポンプギヤです。またこのギヤのすぐ上にあるのがクランクシャフトになります。この右下=オイルポンプギヤの右横にあるのがバランサーで、これはシングルエンジン特有の振動を打ち消すためのものです。
上の写真はチェンジシャフトですが取り付けられているリターンスプリングが折れて開いてしまっています。そのためにチェンジシャフトが動いたとき元の位置に戻ることができなくなってしまったのです。
袋に入っているのが新しいリターンスプリングでその右にあるのが折れたものです。これを交換するときは下に写っているサークリップも必ず新しくします。
取り外した右クランクケースカバー内側です。オイルカスなどで汚れているため洗浄してから新品のガスケットをはさんでクランクケースに取りつけます.規定トルクでネジを締め付けてエンジンオイルを注入してエンジン始動。5分くらい暖機運転をしてオイル漏れがないかを確認できれば作業は終了です。
今回は金属疲労によるリターンスプリングの折損でしたがケースとしてはレアなものでした。
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