079 ホンダ プレスカブ エンジン異音編
2015-08-05
今回の修理車は、乗ったことはあまりなくても街で見かけることは多いのではないかと思われるホンダのプレスカブ。新聞配達専用に作られたバイクです。
トラブルの内容は、エンジンをかけるとヘッド周りから異音がし、回転をあげるとその音も速くなるというもので、まずはタペットクリアランスかカムチェーン周りの音ではないかと推定しました。上の写真は異音の正体を確認するためにシリンダまで分解していく途中です。シリンダヘッドはこのあと取り外して点検しましたが特に異常はありませんでした。
ここにはカムチェーンテンショナーとカムチェーン、クランクシャフトが写っていますが、カムチェーンはかなり伸びているのがわかります。
左が使用済み、右が新しいカムスプロケットです。古いほうはかなり歯先が摩耗していて傷がついているため交換することにしました。カムチェーンも交換します。
写真(上)は新品のカムスプロケットとカムチェーンを組んだところです。写真(下)は更にカバー類を取り付けたところです。この後エンジンを始動したところ問題なく、走行して回転が上がっても異音なども発生せず修理完了です。今回の音の原因としてはカムスプロケットが摩耗したことと、カムチェーンも限界を超えて伸びてしまったためにブレが出てチェーンがカムチェーントンネルの壁にあたったためと考えられます。走行、停止を繰り返す新聞配達の過酷な使用による「職業病」のひとつといえるかもしれません。
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