074 ベスパ100 3ヶ所の修理編
この車両は①エンジン不始動 ②燃料タンクの燃料漏れ ③3ブレーキランプの不灯 の3つの症状で修理の依頼がありました。最初のエンジン不始動については点火プラグの交換とキャブレターのオーバーホールで解消しました。
上の写真は2番目の症状である燃料漏れを調べるために燃料タンクを取り外したところです。その結果、燃料コックの取付け部から漏れていることが判明しました。
ベスパの燃料コックはこのようにタンク内部で六角ナットで締められているので交換はかなり難儀な作業となります。
これはタンク底部に新しい燃料コックを取り付けたところです。左にあるのは漏れのあった古い燃料コックですが、この交換は非常に狭い給油口から工具を入れての作業となるため個人で行うのは少し難しいかもしれません。
燃料を入れて漏れのないことが確認できたら上の写真のようにタンクを車体に装着し、キャブレターと燃料ホースを連結しエンジンを始動します。キャブレターのオーバーフローや燃料漏れがなければ作業は完了です。最後はブレーキランプの不灯です。
まず上の写真ですが、これはもともと付いていたテールライトです。今回の修理ではブレーキランプの不具合をみると同時にテールライトを下の写真のものに交換したいという依頼も同時にありましたので配線を作り直して取付けましたが、テールランプは問題なく点灯したものの肝心のブレーキランプは点きません。テスターで導通を確認しながら順を追って点検していった結果、下の写真のブレーキスイッチの不良が原因でした。
ベスパのブレーキスイッチはブレーキペダルの付け根の奥にあり極めて作業のしにくい場所です。独特の風貌のベスパですが、燃料コックの機構といいブレーキスイッチの機構といい、機械としての構造もかなり独特ではあります。結局このブレーキスイッチを交換したことでブレーキランプも正常に点灯し、すべての作業が完結しました。