060 ヤマハXT125 エンジン内のカーボンクリーニング編
2013-09-22
5年ほど乗らずにいた型式17T・年式不明のXT125です。長期放置車の場合、定番の作業として燃料タンクのサビ落としやキャブレターのオーバーホールなどがありますが、それらの作業をしてエンジンをかけたところ真っ黒な排気ガスが出てきました。写真はカーボンのビッシリついたピストンヘッド(上)とシリンダヘッドの燃焼室(下)です。これはメンテナンス不足のため混合気がかなり濃い状態で使われ続けた結果です。
カーボンを落とすにはワイヤーブラシで粗落としをしてから灯油で洗浄し、浮いた汚れをエアガンで吹き飛ばします。揮発性のガソリンは爆発の危険性があるので使いません。写真は汚れを取り除いたあとのピストンヘッド(上)とシリンダヘッド(下)です。
ところで今回の修理ではシリンダボルトの4本のうち1本のネジ部が損傷していてこのままでは締め付けができないのでネジ山の修正もすることになりました。M10のダイスを使用してボルトのネジ部にかませネジ山を削っていきます。
エンドまで削ったらもとに戻して、さらに3回ほど回して「バリ」を取ります。
ネジ部をエアガンで吹いてきれいにしてからシリンダに差し込み適合するかどうか回してみて、OKならばシリンダ、シリンダヘッドを組み立てていきます。最後にボルトを取り付けてトルクレンチで規定トルクで締めつけることができれば作業は完了です。
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