001 ヤマハ アクシス90 ウエイトローラー破損編
2012-10-01
15年間乗り続けてきたヤマハアクシス90ですが、最高速度が20㎞/hしか出なくなってしまったということで修理入庫してきました。この場合、原因として
①マフラー、排気系のカーボン詰まり
②エアクリーナ、キャブなど吸気系の
詰まり
③点火系統のトラブル
④圧縮圧力の低下
⑤駆動系のトラブル
が考えられますが、今回は駆動系のウエイトローラーの編摩耗が原因でした。
そこでスクーターのVベルト変速について考えてみたいと思います。上図は駆動部分の透視図です。左側のドライブプーリー、右側のクラッチ、ふたつをつなぐVベルトの構造がよくわかります。
この図ではVベルトというのは低速回転時にはシャフト中心部に近いところにあり、高速回転時にはウエイトローラーの遠心力でドライブフェイスが押され中心から外側に移動することがわかります。つまり正常であればドライブ側のギア比が大きくなりスピードが出ます。しかしウエイトローラーが編摩耗してしまうと遠心力が働いてもうまく転がれない→ドライブフェイスを正確に押すことができない→Vベルトも移動できないということになり、スピードが出ないという症状につながるのです。
このふたつは左が正常なウエイトローラー、右が今回の修理車のウエイトローラーです。摩耗の偏りが一目瞭然ですので、6個のウエイトローラーをすべて交換したことで十分なスピードも出るようになり作業の完了となりました。10年、15年と走ってきたバイクには摩耗や疲労の症状はつきものですが、適切に対処することでさらに長く乗り続けることが可能になると思います。
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