036 解説<CDIユニット>編
<旧HP2009.7.01掲載分>
「CDIユニット」ってなんだっけ? CDIユニットはいわゆるブラックボックスになっています。ブラックボックスとは・・・ ウィキペディアによれば「内部構造を見ることができないよう密閉された機械装置」の総称とあり、さらに辞書などを引くと「機能は知られているが、内部構造が不明の装置。電子回路などで、内部構造を問題にせずに入力と出力、原因と結果だけを扱う場合の、その過程や回路・装置。」 「処理過程が部外者には不明な仕組みや構造。また、他人が簡単には真似のできない専門的な技術領域。」
名実ともに黒い非分解式の箱(写真)これはYAMAHA R1-ZのCDIユニットです。 この箱の仕事は、回転数に合わせた点火スピードの制御です。 つまり、そのノウハウはまさに企業秘密。 カッチリした箱の中は樹脂で固められており、構造や仕組みを知ることはできません。
では、中を見ることもできないこのCDIユニットが壊れてしまったら・・・? 何万キロも走ったからとか、もう何年も前のバイクだからといった耐久性の問題ではなく頻繁に壊れるものではないのですが、症状として始動性が悪くなった、または信号待ちなどでエンストしやすくなった、などが現れたら要注意。 吸排気系統、電気系統、発電系統を確認しても原因がつかめないような場合はCDIユニットが故障している可能性があります。 その場合はもうユニットごとアッセンブリで交換するしかないのです。
かつてはポイント方式で点火の制御をしていました。 ポイントの接点がくっついたり離れたりする、その離れる瞬間に発生する大きな電流が最終的にプラグに流れて火花を飛ばすという構造です。 今のようにブラックボックス化していなかったので、大電流が流れることで荒れてくる接点はやすりで磨いたりして、それでもダメな時にはポイントを交換するという方法をとっていました。しかし、ポイント方式の制御には安定性に欠ける面があり、次第に今のようなCDIユニットになっていきました。