105 ヤマハTW200 タペット点検編
<2017.8月修理分>
走行23000㎞のTWです。シリンダヘッドまわりからカチカチ音がし始めたためユーザーがご自分でエンジンオイルの交換をしたものの変化がなく、点検の依頼です。
エンジンをかけてみると確かにカチカチと硬い音がします。これは明らかにバルブまわりの音なのでシリンダヘッドカバーをはずし、カムスプロケットとカムチェーンの状態を確認します。この時シリンダヘッドの合わせマークとカムスプロケットの刻線を一致させておきます。
同時にクランクケース側でも合わせマークとフライホイールの刻線を一致させます(上部の小さい穴の部分)。その下の中央の穴から見えているのがクランクシャフトボルトで、これを回転させながら合わせマークを見つけていきます。
これが吸気側のバルブロッカーアームです。バルブクリアランスを計測し基準値内にあればOKです。この場合エンジンが冷えた状態で0.05mm~0.09mmが正常値で測定の結果問題はありませんでした。
これは排気口側です。ロッカーアーム、ロックナット、バルブスプリングが見えています。こちらの基準値は同じくエンジンが冷えた状態で0.11mm~0.15mmです。
上の写真はバルブクリアランスを測定しているところです。基準値が0.11mm~0.15mmということはバルブステムとアジャスターの間にシックネスゲージを差し込んだ際、0.10mmのゲージは軽く通過し0.15mmのゲージはきついながらも通るという状態が理想です。今回は排気口側のクリアランスが0.20mm以上もあったためにカチカチという音が出ていたことが判明したので、基準値の0.15mmに調整しました。
余談ですがこれがシックネスゲージです。0.05mmから1.0mmまでのスチール製の板を放射状に広げて使います。
今回は上の0.10mmから0.20mmのものを主に使用して計測しました。