112 ヤマハ除雪機YS870 シフトケーブル交換編
<2018年2月修理分>
前回vol.111も同じヤマハYS870の除雪機ですがこれはまた別の車体です。
また2015年1月18日にも同型機のシフトケーブルの交換を掲載しましたがそれとも別の車体で今回はより詳しく載せたいと思います。
除雪中に走行できなくなり前進も後進もできなくなってしまいました。ただしエンジンはちゃんと動いており除雪用のオーガも正常に回転しています。
そこでシフトレバーを動かしてみると手応えがありません。コントロールパネルの下からのぞいてみるとシフトケーブルがプツンと切断されていました(写真の中央左)。切れたケーブルの先端が曲がっているので相当無理な力が加わったことが想像されます。これでは交換するしか方法がありません。
シフトケーブルを交換するためには底板を脱着する必要があるので燃料とオイルを抜き取ったうえで写真のように車体を横倒しにしました。ここまでしたからには普段なかなか見ることのできないキャタピラ内側、車高調整装置も点検しておきます。
これは底板を取り外したところです。真中の銀色の部分がトランスミッションでシフトケーブルが接続されています。また左側に見えている黒い円盤のようなものはオーガプーリーとベルトです。
上の写真ではトランスミッション下部のアームにシフトケーブルが接続されているのがわかります。左側にはクラッチスプリングが見てとれます。
新旧シフトケーブルの比較です。写真上の切断したケーブルはその曲り具合からケーブルが先に曲りそこに何らかの力が繰り返し加わったことでついに破断したと思われます。ある意味経年変化による劣化が原因の症状ではありますがこれもシーズン前に点検をしていればケーブルの先端が「へ」の字型に曲がっていることは目で見てわかるので故障を未然に防ぐことは可能です。
新しいシフトベルトへの交換交換ができました。この後はケーブル取付け部やケーブルそのものなど摺動による力が集中する部分には特にたっぷりとグリスアップをしておきます。