086 ヤマハジョグ・エアクリーナー編

2016-03-02

<2016.1月修理分>

走行12000㎞の4サイクルジョグです。徐々に始動性が悪くなり走行中にエンストする症状も出てきたということでした。
まず点火プラグを見てみるとカーボンで黒くなり、電極も消耗していたので交換しました。
しかし症状は改善しません。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAそこでエアクリーナーボックスを確認すると下側のオイル溜まりにかなりオイルが見受けられたのでドレインパイプを外してみました。するとパイプ上部までほぼいっぱいにオイルが溜まっていました。構造上、クランク室で発生したガスにはオイル分が混ざっています。このブローバイガスがエアクリーナーボックスに戻るとき、混ざっていたオイル分が少しずつドレインパイプ内に落ちて、写真のように溜まってしまうのです。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAエアクリーナーボックスの内部は上のようになっていて、左上の丸い穴は空気がインジェクションに吸い込まれる通路となっています。ブローバイガスに混入しているオイル分がここを通って空気と一緒に吸い込まれると混合気が濃くなり、点火プラグが汚れて火花が飛びにくくなります。今回のエンストの症状にはこうした背景がありました。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAさらにこの車両は上の写真のようにエアエレメントも真っ黒に汚れていて、これでは外気を正常に通すことがでず混合気が濃くなりすぎてエンジンの不調を招きかねません。スポンジ式に対してこのタイプのエアエレメントはビスカス式といいます。成型した不織布にオイルをしみこませて汚れを吸着させるのですが、掃除して再利用ができない構造なので交換となります。エアクリーナーの汚れは言ってみればエンジンの呼吸困難を意味するので、点検での早目の交換が望ましいです。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAこれは新旧のエアエレメントの比較です。外から見てわかる部分ではないので、やはり12カ月定期点検などでのチェックが不調を未然に防ぐ効果的な方法と言えると思います。

 

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