085 ヤマハDT50電装修理編
＜2015.11月修理分＞ 年式不明
知人から譲り受けたものの長年放置されていたためにエンジンこそかかるもののヘッドライトもウインカーも点灯しないという症状です。
この車両はカスタムしてあったものをノーマルに戻したいきさつがあったようなので写真のようにシート、サイドカバー、フューエルタンクを取り外して奥にある配線を点検します。テスターで配線やコネクターをみながら導通があるか、抵抗が大きすぎないかを確認していきます。今回はかなり古いバイクで端子が錆びついており、それが抵抗になって電気が流れない部分が２カ所見つかったため、ワイヤーブラシとペーパーやすりで磨くことで導通を確保しました。しかしいざバッテリーを取り付けてみると電流が流れません。
そこで上のようにヘッドライト部を分解してスイッチ類の配線を調べてみるとウインカーの配線が左右逆になっていることが判明。この場所でも端子に錆が出ていたのでひとつずつペーパーやすりで磨いたあと配線を正しく組み替えてテストしてみました。ところがウインカーは点灯するようになったものの今度は点滅しません。
このような場合疑わしいのはウインカーリレーである可能性が高いと考え、上の写真のようにウインカーリレーを交換したところ正常に点灯・点滅するようになりました。イグニッションコイルのすぐ下に見える円筒状のものがウインカーリレーです。
これは破損したスピードメーターですがこのパーツについては中古品を手にいれることができ、交換したところ正常に作動しました。ヘッドライトの不灯は単純な球切れによるもので簡単な作業で直りました。最近は古いバイクの修理依頼が多いのですがメーカーにも部品の在庫がなくなってきており、修理そのものよりも部品の調達に苦労することが増えてきました。しかし今回のヘッドライトのように中古品を上手に見つけたり、インターネットの活用でメーカー供給に頼らない入手方法もあるので、どんなに古いバイクでも直して乗りたい、という要望にはできる限りお応えしたいと思っています。
