096 スズキ TS125R シリンダボーリング編<前編>

2016-12-21

<2016.12月修理分>

 

今年の10月に京都からツーリングに来て美ヶ原でエンジンが止まってしまったあと走れなくなってしまい、JAFのレスキューで運ばれてきた車両です(年式は不明、走行28900㎞)。

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ユーザーの話によりますと走行途中で一度エンストしたもののエンジンが冷えたら再始動できたためそのまま走り出したところ10分ほどで再びエンストし、その後はもうエンジンがかからなくなってしまったとのことでした。

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2サイクルエンジンでもあることからこの時点では焼付きを疑い圧縮圧力を計測してみると、写真のように4㎏/㎠しかありません。規定では8.4㎏/㎠で使用限度は5.8㎏/㎠となっているのでシリンダ、ピストンを点検する必要が出てきました。

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そこでシリンダヘッドを取り外すためにクーラントを抜き、ラジエターホース、パイプを外します。さらにマフラー、エキゾーストパイプ、エンジンブラケットを取り外します。

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ようやくシリンダヘッドにたどりつきました。

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シリンダヘッドを取り外したところです。ピストンヘッドやシリンダのウォータージャケットの様子がよくわかります。

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ピストンを下げてみるとシリンダ内壁にこすれ傷(複数の縦線)が見受けられます。

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シリンダを抜き出してピストンをみると無数の傷がついています(写真・上)。ピストンをしっかり抜いたあとのシリンダ内壁をもう一度確認してみるとやはり傷だらけでまさに焼付きの様相を呈していました(写真・下)

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焼付きをおこしたピストンと1mmオーバーサイズの新しいピストンの比較です。焼付きによる焦げの痕も見られ、ヘッドの一部も欠損してしまっています。
以下<後編>につづく

 

 

 

 

 

 

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